県指定天然記念物シダ類植物群落とその生育地
イワダレヒトツバ
県指定天然記念物のシダ類植物群落とその生育地は山北町
皆瀬川中流の市間橋付近に2箇所あります。橋までは車で行く
ことが出来ます。断崖植物群落の構成種であるイワダレヒト
ツバ(シダ類)は、主に中国北部に分布し日本ではごく限られ
た産地にのみ見られます。
山北町皆瀬川、市間橋付近の川岸の急斜面にはこのイワダレ
ヒトツバをはじめとした断崖植物群落が生息しており植物分布
上、貴重なシダ植物となっています。
天然記念物として指定されている詳細な場所は市間橋付近の字
蛇石と山北字長岩ですが市販の詳細な地図を調べても見つける
ことは困難です。一方は左岸、もう一方は右岸で橋から見えるほど
の距離の対岸の崖中腹です。この付近一帯は既に山の中です。
近くには山と川しかありませんので探索に出掛ける場合には必ず
複数人で、長靴、軍手持参で出掛けましょう。
県指定の天然記念物には、共和蛇石が昭和44年12月2日に指定
され山北長岩が昭和53年6月23日に指定されました。
第一の生育地
この断崖は、土壌の堆積がみられないため高等植物の
侵入もなく、しかも隣接する森林によって日照がさえぎら
れて半陰地が形成されており、ハコネシダ、マメヅタ、
ビロウドシダ、ノキシノブ、イワヒバなどの矯正シダ植物
による特徴的な断崖植物群落が発達しています。
第一の生育地は市間橋から西側の川の対岸崖上ですが、山林整備
事業や人の介入などにより既に、壊滅状態となっており、シダ植物
群落が見られなくなっているという残念な状況にあります。貴重な
生育地のPRと自然保護の為の立ち入り制限の狭間で具体的な
地域の紹介が微妙な地域です。なお、観葉植物として、園芸種の
イワダレヒトツバ自体はインターネットなどからも入手が可能です。
興味のある方はご確認下さい。
公共の交通機関で行く場合は、御殿場線「山北駅」から皆瀬川を
上流方向に徒歩で約45分。市間橋両岸の川岸崖上。
車利用の場合は御殿場線「山北駅」から県道76号線を御殿場方面
へ、県道725号線に入り皆瀬川を上流に向かって走ります。目的
地周辺となる市間橋は、山北駅から約15分です。
<関連HP>
・『神奈川県立 生命の星 地球博物館の神奈川県レッドデータ生物調査報告書(イワダレヒトツバ);絶滅報告』(外部リンク)